「 自然乾燥と人工乾燥 」
Ⅲ 乾燥 ですこし自然乾燥と人工乾燥にふれましたが、
今回はその話を書かせていただきます。
無垢の木には、人間と同様に水分がたくさんあり
木の水分量 = 含水率は、自然に生えている立ち木で150%から200%あります。
材木屋さんは、
自然乾燥や人工乾燥をして
20%程度までに水分を落としていきます。
自然乾燥
天然乾燥とも言われています。
丸太の状態で乾燥させる方法と製材後に乾燥させる方法があります。
メリット
コストがやすいこと、
十分に乾燥すれば収縮率が小さく含水率のムラがなくなること。
デメリット
保管場所が必要で乾燥に時間がかかること。
人工乾燥
高温乾燥や蒸気式乾燥、真空乾燥などの様々な方法があります。
メリット
天然乾燥で起きやすい割れなどの損傷を防ぎ、
高温短時間で乾燥することによって
木の細胞組織を破壊するので、表面の割れや収縮がほとんどなく、ねじれや狂いも抑えられる。
天然乾燥では到達できない所定の含水率まで乾燥できること
デメリット
設備が必要なためコストがかかること
木材の含水率を短時間で20%程度まで落とすことが目的ですが、
流木のように含水率5%ほどになってしまうケースがある。
木に欠かせない強度や性能を担う成分や脂分が排出してしまう可能性がある。
ただ、この人工乾燥により7~8%まで含水率を下げられた木材は、
そのまますぐに加工を進めてゆくと、形になった後で逆に湿気を吸って動いてしまうことがある。
温度・湿度共に管理された状況に一定期間置いて、含水率の安定させる必要がある。
このように自然乾燥と人工乾燥のメリット・デメリットを書かせていただきましたが、
人工乾燥のコスト・効率重視だけでもよろしくなく、
かといって、自然乾燥で時間とコストばかりかかってしまっては
身近に無垢の木の家具を感じることができなくなってしまいます。
きちんと
木と向き合い
人と木
環境に合わせて乾燥させることが大事であります。
家具職人として、
無垢の木を扱っているとして
切っても切り離せない木の伸縮の問題
家具屋イヱノでは、
1 なるたけ、時間をかけて、環境に合うよう乾燥させる
2 割れや反りなどの狂いを出ないように、出ても良いように遊びをつくる
3 永く使っていただけるよう強度と正確な仕口
4 お客様のイメージをお客様と共にデザインしカタチにする
永く愛着もって、使っていただける無垢の木の家具を作るため、
このようなことを心がけして製作しております。
こんなことを心がけ
木と向き合いながら
カタチにしております。
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